アカネ/あかね/茜
アカネ
学名 Rubia argyi (H.Lev. et Vaniot) H.Hara ex LAuener et D.K.Ferguson
Rubia akane Nakai
英名 madder
分類 リンドウ目 アカネ科 アカネ属
分布 本州、四国、九州
山野に普通に見られる
花期 8~10月
草丈 つる性
アカネを初めて見つけたのは山道の片隅でした。
よく見れば、小さな黄緑色の花が咲いている。
小さなお花好きにはたまらない愛らしさ。
アカネは蔓(つる)性の多年草。
地面を這うというよりは、ほかの草木に絡まるようにして伸びます。
アカネの逆刺(ぎゃくし)。
茎にある小さな下向きのトゲ。
これでほかの植物などに引っかかりながら成長する。
アカネの花
淡い黄緑色のアカネの花。
8~10月にかけて咲く、3~4㎜ほどの小さな花です。
雄しべは5個。
花弁は普通5裂。
でも花びらが4裂する個体もあるみたい。
おもしろいことに、花弁が4裂だと、雄蕊も4個。
花びらの枚数にシベも合わせるのかな。
ちなみにサイズはこれくらい。
茎の先端、葉腋から、集散花序をつける。
本格的な花期を迎えると、続々と花が咲き出します。
ひとつの花だけ見れば小さくて目立たないけれど、とにかくたくさん咲くので、結構目につく花ではあるかも。
アカネの葉
アカネの葉は、4枚の輪生に見えます。
でもこれは偽輪生で、実際は対生。
2枚の対生する葉っぱ以外の2枚は、托葉(たくよう)が変化したもの。
アカネの実
アカネの果実は液果(えきか)。
2個がくっついているのが普通だそうですが、1個だけの果実も同じくらい見られます。
緑色の若い果実と、黒く熟した果実。
徐々に色づき、ブルーベリーのような色味に熟す。
なぜ2つくっついた果実になるんだろう?
本当に不思議。
こうして見ると
2つセットになった果実より、1つの果実のほうが粒が大きめですね。
ところで
アカネの果実には虫えい(虫こぶ)がとても多い印象があります。
最初にアカネの果実を見たときは、その株のほとんど全部が虫えいでした。
これがアカネの虫えい「アカネツボミフクレフシ」。
アカネの名前の由来
アカネの名前の由来は、根っこが赤いから。
アカネの根は乾燥させると赤くなるそうです。
この乾燥させた根は、茜染めの原料として使われます。